もくじ
IT企画「デジタルで新しいビジネスの創造」
デジタルで新たなビジネスを創るためには、ビジネス戦略を起点に検討を行う事が大切である。
それはなぜか。
もしITを起点に検討をすると、業務改善や効率化だけで企画が終わってしまい、根本的なビジネス変革にはならないからである。
ビジネスを変革するには、組織のあるべき姿を描かなければならない。
そこでポイントとなるのが、既存ビジネスは考慮せず、理想となるビジネスの流れを考えることが重要である。
既存ビジネスから波及することは、本質的に変革できない場合や無駄の見落としが発生する可能性があるためだ。
使うべきデジタル技術はどんなものか
ビジネス環境の不確実性が強まる中、素早く変化する世の中のニーズに応えるためには、どんなデジタル技術を使うべきなのか。以下に例を示す。
- API
顧客の使用するどんなデバイスからでも、共通して利用してもらえるようにする
- マイクロサービス
開発・テストの範囲を局所化し、サービス提供までの時間を短くする
- クラウド
システムの素早い調達、増減を実現できる
- インタフェース強化
既存システムのデータや機能を他システムからも活用できるよう、最新の技術や環境に置き換える
- 競争領域の切り出し
高頻度で変更が求められる機能は、システムから切り出しておくことで、変化に柔軟に対応できるシステムになる
時代の変化に応じて、セキュリティも変化
コロナ禍により日本の企業にもデジタル化が急速に進み、その流れは事業継続には欠かせないものになっている。
変化はより激しく、成長速度もさらに加速している中、社外や他デバイスからのアクセス機会も増え、自社の機密情報を守る方法も変化している。
セキュリティは侵入されないように守る時代から、侵入されても被害が少なくて済む方法へと変化した。
既存システムを見直して変化に取り込んでいく
長年使用してきた既存システムは、技術的負債を抱え、運用費・保守費が嵩張っている状態のものも多い。新規ビジネスへの投資を確保するには、見直しは必須である。
- 見直し1:既存システムの全体俯瞰図を作成し、関係者間で全体像の認識を合わせる
- 見直し2:コスト増大要因を明らかにする※
- 見直し3:価値の仕分けを行い、システムを分析する
(※コスト増大要因・・・使われていない機能、過剰サービス、複雑なデータ連携など)
一度に負債を解消することは、難しくハードルの高い作業となるため、段階的に見直して解消していくことが見直しを進めるポイントとなる。
上手にDXを稼働させた企業だけが先の未来に生き残る企業になる
企業価値向上につながる情報が全てデータ化され、それらを目的別に最新データとして分析・活用できている企業は、従来より格段にリードタイムが早くなっている。
そのような企業の経営者は、ITを使いこなし、情報をリアルタイムに把握して新たな手をすぐに打てるようになり、経営判断と価値提供のスピードアップを実現できている。
そのような経営者が舵を取る組織では、品質向上や人員の最適化、需要予測などにデータが利活用されてパートナー企業とWin-Winの関係をより強固にすることができる。
またターゲティングが的確で、よりパーソナライズされたサービス提供を行えるようになり、レコメンドの増幅、ブランド力の向上に波及し、顧客を取り巻くフィジカル空間ともWin-Winの関係を築くことができる。
ビジネス戦略とデジタル技術を融合させるデジタルトランスフォーメーション。着実にビジネスを前進させられる組織は、このDXを正しく理解し、組織全体で利活用している。